情報種別:海外安全情報(スポット情報)
本情報は2016年04月04日に失効しました。

イラク:治安情勢

2016年02月01日
イラク:治安情勢 イラク:治安情勢
1 最近のイラクにおける治安情勢は以下のとおりです。
(1)イラク全土
 ア 2014年6月以降,ISIL(イラク・レバントのイスラム国)を中心とする武装勢力がイラク北部ニナワ県モースル市等を占拠するなど,イラク北部及び西部を中心に勢力を拡大させました。一方,イラク軍は,米国が主導する「連合」による空爆等の支援も受け,2015年4月にサラーハッディーン県ティクリート市,同年12月下旬にアンバール県ラマーディー市をISILから解放したと発表しました。しかし,2016年に入っても,ラマーディー市やティクリート市等に対して,ISILによる散発的な攻撃は発生しており,今後の治安情勢を注視する必要があります。また,ファッルージャ市等では,引き続き,イラク治安部隊とISILとの攻防が続いている模様です。
 イ 昨年8月から発生している反腐敗や公共サービス改善,公務員の新給与体系に対する抗議デモは,2016年に入っても引き続き,金曜日を中心に,バグダッド及び南部諸県で発生しています。
 ウ モースル市やファッルージャ市の奪還作戦の開始やそれに伴う国内避難民のさらなる増加などの影響を受け,今後悪化する可能性があります。イラク国内の治安情勢は,現時点で比較的安定している地域においても,引き続き十分な警戒が必要です。

(2)クルディスタン地域及びその周辺
 ア イラク北部クルディスタン地域では,2013年9月にエルビル市内の治安機関庁舎を標的とした爆弾テロ,2014年11月に県庁舎を標的とした爆弾テロ,2015年4月に米国総領事館付近での爆弾テロ(2015年4月18日付スポット情報「イラク:エルビル市内での爆弾テロ事案発生に伴う注意喚起」参照)が発生しています。それ以降,テロ事案の発生は確認されていませんが,引き続き散発的なテロへの警戒が必要です。
 イ クルディスタン地域北部の山岳地帯においては,クルディスタン労働党(PKK)に対するトルコ軍による空爆が続いています。
 ウ 2015年末,クルディスタン地域政府は,ロシア軍の戦闘機等によるシリアにおけるISILへの攻撃に伴い,民間航空機の安全確保のため,同地域内の空港(エルビル空港,スレイマーニーヤ空港)を一時閉鎖する措置を2度とりました。今後も同様の措置がとられる可能性があります。

(3)バグダッド
 ア バグダッドにおいては,特にシーア派居住地域や市の郊外(いわゆるバグダッド・ベルト地域)でテロ事案が多く発生しています。
 一方,インターナショナル・ゾーン(IZ),空港と市内を結ぶ幹線道路(ルートアイリッシュ)等については,イラク治安当局による厳重な警備が行われており, 同地区内の施設を狙ったと思われるロケット弾が域外から飛来することがありますが,テロ事案はほとんど発生していません。2015年10月にIZ内の一部の幹線道路が開放されて以降も爆弾の爆発や混乱は確認されていません。
 イ 1月11日,東部ニューバグダッド地区にあるショッピング・モールで武装集団が自動車爆弾を爆発させ,モール内で銃を乱射し,人質をとる事件が発生しました。報道によれば少なくとも18人が死亡し,50人以上が負傷しました。ISILが犯行声明を発出しています。また,実行犯は未だ不明ですが,同月17日には,市内で米国人3人が誘拐される事件が発生しています。
 ウ バグダッドにおいては,2015年8月以降金曜日を中心に反腐敗,公共サービス改善,公務員の新給与体系に抗議する大規模なデモが発生していますが,最近は,比較的小規模なデモに移行しています。
 エ バグダッドに隣接する県のうち,アンバール県では,ISILとイラク治安部隊による戦闘が継続しています。2015年12月末に,イラク軍がラマーディー市をISILから解放した旨発表されましたが,その後もISILの残党によると思われるテロ事件が発生しています。今後も,同県の治安情勢の変化がバグダッドの治安に影響を与える可能性があります。

(4)イラク南部
 ア イラク南部県の治安情勢は比較的落ち着いており,ISILによるテロはほとんど発生していません。
 イ バスラ県北部のハルサ地区及びバスラ市内においては,部族間で武器を使用した衝突が散発的に発生しており,また,バスラ市においては犯罪集団による身代金目的の誘拐,強盗,殺人事件が増加傾向にあります。このため,1月中旬,イラク政府はバスラに治安部隊を派遣し,武器の押収や捜索などを実施しました。
 ウ テロ事件に関しては,2015年10月,バスラ県南西の街ズバイルにおいて,自動車に仕掛けられた爆弾が爆発する事件が発生しています(2015年10月6日付スポット情報「イラク:バスラ県等における爆弾テロ事件の発生に伴う注意喚起」参照)が,それ以降の発生は確認されていません。
 エ イラク南部諸県では,2015年8月以降,反腐敗や公共サービス改善を求めるデモや公務員の新給与体系に対する抗議デモが発生しています。

2 主要地域において発生した主なテロ事案
 2016年1月中,首都バグダッド,中心部IZ及びその周辺,クルディスタン地域及び南部等で発生が報じられた主なテロ事件は,以下のとおりです(以下,全て現地時間で記述)。別添「バグダッド市内中心部での主な治安事案マップ」を併せて参照してください。なお,イラクでは,バグダッド以外でも,上記1の戦闘が行われている地域等,各地でテロ事件等が発生しており,注意が必要です。

(バグダッド中心部)
<IZ内>
●テロ事件の発生は確認されていない。
<IZ外>
●2日,南部ドーラ地区で,迫撃砲弾が着弾し,少なくとも民間人2人が死亡,7人が負傷。
●6日,南部2か所で,爆発が発生し,合わせて少なくとも民間人3人が死亡,12人が負傷。
●11日,東部ニューバグダッド地区にあるショッピング・モールにおいて,武装集団が,入口付近で自動車爆弾を爆発させ,内部で銃を乱射するとともに人質をとるなどし,少なくとも18人が死亡,50人以上が負傷。ISILが犯行声明を発出。
●12日,南部ドーラ地区の市場付近で,爆発が発生し,少なくとも2人が死亡,6人が負傷。
●17日,南部郊外のダウラ地区とバグダッド国際空港を結ぶ幹線道路上で,武装集団が警備請負業者の米国人3人とそのイラク人通訳1人を拉致。

(クルディスタン地域3県)
●テロ事件の発生は確認されていない。

(南部4県)
●テロ事件の発生は確認されていない。

3 イラクに対しては,一部を除く地域に,「レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)」及び「レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)」との危険情報を発出しています。上記の治安状況を踏まえると,同国の退避勧告地域及び渡航中止勧告地域では,渡航者の安全を確保することが困難です。ついては,このような地域については,いかなる理由であれ渡航しないでください。「退避勧告地域」に既に滞在されている方については,速やかに退避していただくとともに,退避までの期間の緊急連絡先を,また,「渡航中止勧告地域」に真にやむを得ない事情で既に滞在されている方については,滞在中の緊急連絡先を外務省邦人テロ対策室又は在イラク日本国大使館まで至急連絡するようお願いします。

(イラク「海外安全情報」)
http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo.asp?id=45#ad-image-0

(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
 住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
 電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902,2903

(外務省関連課室連絡先)
○外務省領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)
 電話:(代表)03-3580-3311(内線)3680
○外務省領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)
 電話:(代表)03-3580-3311(内線)5139
○外務省 海外安全ホームページ:
http://www.anzen.mofa.go.jp/
http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp (携帯版)

(現地大使館連絡先)
○在イラク日本国大使館
 住所:International Zone,Baghdad, Iraq
 電話:(870-772)-543-197(衛星電話)
 FAX:(870-782)-174-466
 緊急連絡先:+964-(0)77-0494-2018
 URL:http://www.iraq.emb-japan.go.jp/Japanese/index_j.html
 E-mail:embjp.ryoji.iraq@bd.mofa.go.jp