情報種別:海外安全情報(スポット情報)
本情報は2016年06月28日現在有効です。

中国における大気汚染に関する注意喚起

2015年12月04日
1.概要
 中国では、例年、冬期を中心に、各地で深刻な大気汚染が発生しています。特に、本年11月6日から10日頃にかけて瀋陽等の東北地方において、また同30日から12月1日にかけて北京・天津等の華北地方において極めて深刻な汚染が発生しました。
 中国に渡航・滞在を予定されている方または既に滞在中の方は、以下の情報を参考にしながら、各種情報収集に努め、状況に応じて健康上の対策をとるよう心がけてください。

2.大気汚染の発生状況と健康への影響等
(1)中国の大気汚染で特に問題となっているのは、「粒子状物質(PM10,PM2.5)」です。石炭燃焼、自動車の排気ガス、農地における藁の焼却等が原因とされ、発生しやすい気象条件が重なると大気汚染が深刻化しますが,風が吹くとすぐに解消することもあります。大気汚染は一年中を通じて発生する可能性がありますが、秋~冬期は特に重度の汚染が発生しやすくなります。
(2)粒子状物質は、PM10(直径10ミクロン以下)、さらにはPM2.5(直径2.5ミクロン以下)と、粒子の直径が小さくなるほど、肺の奥、さらには血管へと侵入しやすくなり、現在問題になっている「PM2.5」は、直径が人の髪の毛の約40分の1以下の大きさしかない微粒子で、肺の奥、さらには血液内にまで侵入し、全身に循環することでぜんそく・気管支炎、肺がんや心臓疾患などを発症・悪化させるリスクが高まるといわれています。高齢者や子供、肺・心臓等に疾患のある方は、大気汚染に対してより高いリスクを有するため、特に注意が必要です。
(3)社会的影響として、大気汚染が深刻化すると、学校等の教育施設で休校や屋外活動の停止措置が取られます。また、視界(可視度)が低下し道路交通の危険が増すため、車の運転に注意する必要があり、高速道路の閉鎖、航空便や鉄道などの欠航・運休など,公共交通機関に影響が及びます。さらに、重度汚染の発生に伴い、汚染源となる石炭燃焼を伴う工業生産活動や土木・建設工事等の経済活動が規制され、大型車両又は一般車両の通行が規制されることがあります。

3.環境基準及び指標,警報の区分について
(1)中国では、PM2.5の大気中濃度の環境基準が75㎍/㎥(日平均値)です。なお、日本の環境基準は35㎍/㎥(日平均値)となっており、環境省による「注意喚起のための暫定的な指針」においては、外出抑制を呼びかける基準は、70㎍/㎥となっています。
(2)中国環境保護部は、様々な大気汚染物質濃度について、人体への影響リスクを表す空気質指数(AQI)を用いて公表しています。AQIは、「優」(50未満)、「良」(50~100)、「軽度汚染」(100~150)、「中度汚染」(150~200)、「重度汚染」(200~300)、「厳重汚染」(300以上)の6段階で表しています(最大値は500)。また、PM2.5等の大気中濃度(㎍/㎥)の実測値も公表されており、「優」は35㎍/㎥以下で日本の環境基準達成、「良」は75㎍/㎥以下で中国の環境基準達成、75㎍/㎥を越えると「汚染」となります。
 なお、米国が公表するAQIは中国のそれよりも尺度が厳しくなっており、例えば、「優」は12㎍/㎥以下、「良」は35㎍/㎥以下、35~55㎍/㎥は「敏感な人に対して不健康」、55~115㎍/㎥は「不健康」と表しています。
(3)北京市では「重度汚染」が発生することが予測される際に、その予測日数に応じて、「青色(4級)警報」(1日間)、「黄色(3級)警報」(2日間)、「オレンジ色(2級)警報」(3日間),「赤色(1級)警報」(4日間以上)に分け、警報が発令されます。
(4)このように、中国の環境基準と、日本や米国の基準とを単純に比較することはできませんが、中国のAQIで「軽度汚染」以上(PM2.5実測値では75㎍/㎥以上)の場合、汚染の程度に応じて必要な対策を講じていく必要があると言えます。

4.大気汚染時の対策
 大気汚染の影響を避けるためには、一般的に以下の方法が考えられます。
【室内環境】
○ 屋内では空気清浄機を、部屋の大きさに応じて設置する。特に、外気の汚染が深刻な場合には最大風量で運転する。PM2.5対応のフィルター交換の他、外フィルターに埃が詰まると風量を損ない、効果が薄れるため、適宜掃除をする。
○ 汚染が特に重度である際には、汚染された外気の流入が認められる玄関や扉枠のわずかな隙間を、テープ、ボール紙等でふさぐ。
○ 一方、外気の環境が良好な日には、室内のウイルス感染のリスクを下げ、体調不良の原因となる二酸化炭素の濃度を下げるため、窓の開放や換気扇等により、時間を区切って積極的に新鮮な外気を取り入れ、換気を行うことが推奨される。
【室外行動】
○ 屋外での活動をできるだけ避ける。(なお、屋内であっても、ロビーや廊下などの広い空間、出入口に近い空間は清浄でないケースが多くみられることに注意が必要。)
○ 通勤・通学等で外出する場合には、PM2.5対応マスクを着用する(「N95」とは、PM2.5を95%以上遮断することを基準とした規格)。マスクは、あごや鼻の周辺に隙間ができないよう、顔の形にフィットしたものを選別する。

5.大気汚染関連情報の収集
(1)中国政府(国レベル、各省・市・自治区レベル)の環境保護当局や気象局等で、公式の情報が確認できます。たとえば、北京市の場合、AQIやPM2.5濃度の数値、予報や警報は、北京市環保監測中心、北京気象局等が公表しています。
 以下のホームページでは、中国全土の情報が掲載されるとともに、各省・市・自治区の系列機関にリンクしています。(中国語)
○中国環境監測総站(環境モニタリングステーション)ホームページhttp://www.cnemc.cn/
○中国気象局ホームページ http://www.cma.gov.cn/
(2)在中国米国大使館・総領事館では、2010年から独自にPM2.5を含む大気環境モニタリングを行っており、同館敷地の測定結果を公表しています。
○在中国米国公館モニタリングデータ(米国国務省ホームページ:英語)http://www.stateair.net/web/post/1/1.html
(3)その他、天気予報サイト等様々なウェブサイトや、ミニブログ等で現地の有益な情報が発信される他、スマートフォンアプリ等の便利なツールが多数公開されています。
(4)日本の外務省、環境省ホームページには、環境省の中国に対する取組み等を含め、PM2.5関連情報が掲載されています。また、日本気象協会等から、中国沿岸部から日本全土にかけてのPM2.5分布予測モデルが公開されています。
○外務省ホームページ
中国の環境問題(大気汚染等)への取組
http://www.mofa.go.jp/mofaj/a_o/c_m2/ch/page3_000696.html
○環境省ホームページ 
微小粒子状物質(PM2.5)に関する情報
http://www.env.go.jp/air/osen/pm/info.html
微小粒子状物質(PM2.5)に関するよくある質問(Q & A) 
http://www.env.go.jp/air/osen/pm/info/attach/faq.pdf
○一般財団法人日本気象協会ホームページtenki.jp(PM2.5分布予測)
http://www.tenki.jp/particulate_matter/
(5)中国各地の大使館・総領事館のホームページにおいても各種資料を掲載しています。下記の「現地公館連絡先」のホームページを参照してください。

(問い合せ窓口)
○外務省領事サービスセンター
 電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902

(外務省関係課室連絡先)
○外務省領事局政策課(海外医療情報)
 電話:(代表)03-3580-3311(内線)5367
〇外務省 海外安全ホームページ:http://www.anzen.mofa.go.jp
           (携帯版) http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp

(現地公館連絡先)
○在中国日本国大使館
(管轄地域:北京市,天津市,陝西省,山西省,甘粛省,河南省,河北省, 湖北省,湖南省,青海省,新疆ウイグル自治区,寧夏回族自治区,チベット自治区,内蒙古自治区)
 住所(領事部):北京市朝陽区亮馬橋東街1号
 電話:(市外局番010)-8531-9800 (代表),(市外局番010)-6532-5964(邦人保護)
 国外からは(国番号86)-10-8531-9800(代表),(国番号86)-10-6532-5964(邦人保護)
 FAX:(市外局番010)-6532-9284
 国外からは(国番号86)-10-6532-9284
 ホームページ:http://www.cn.emb-japan.go.jp/index_j.htm

○在広州日本国総領事館
(管轄地域:広東省,海南省,福建省,広西チワン族自治区)
 住所:広州市環市東路368号花園大厦
 電話:(市外局番020)-83343009(代表),(市外局番020)-83343090(領事・査証)
 国外からは(国番号86)-20-83343009(代表),(国番号86)-20-83343090(領事・査証)
 FAX:(市外局番020)-83338972(代表),(市外局番020)-83883583(領事・査証)
 国外からは(国番号86)-20-83338972(代表),(国番号86)-20-83883583(領事・査証)
 ホームページ:http://www.guangzhou.cn.emb-japan.go.jp/

○在上海日本国総領事館
(管轄地域:上海市,安徽省,浙江省,江蘇省,江西省)
 住所:上海市万山路8号
 電話:(市外局番021)-5257-4766
 国外からは(国番号86)-21-5257-4766
 FAX:(市外局番021)-6278-8988
 国外からは(国番号86)-21-6278-8988
 ホームページ:http://www.shanghai.cn.emb-japan.go.jp/

○在重慶日本国総領事館
(管轄地域:重慶市,四川省,貴州省,雲南省)
 住所:重慶市渝中区鄒容路68号 大都会商廈37階
 電話:(市外局番023)-6373-3585
 国外からは(国番号86)-23-6373-3585
 FAX:(市外局番023)-6373-3589
 国外からは(国番号86)-23-6373-3589
 ホームページ:http://www.chongqing.cn.emb-japan.go.jp/index_j.htm

○在瀋陽日本国総領事館
(管轄地域:遼寧省(大連市を除く),吉林省,黒龍江省)
 住所:瀋陽市和平区十四緯路50号
 電話:(市外局番024)-2322-7490
 国外からは(国番号86)-24-2322-7490
 FAX:(市外局番024)-2322-2394
 国外からは(国番号86)-24-2322-2394
 ホームページ:http://www.shenyang.cn.emb-japan.go.jp/

○在瀋陽日本国総領事館大連領事事務所
(管轄地域:大連市)
 住所:大連市西崗区中山路147号 森茂大廈3F
 電話:(市外局番0411)-8370-4077
 国外からは(国番号86)-411-8370-4077
 FAX:(市外局番0411)-8370-4066
 国外からは(国番号86)-411-8370-4066
 ホームページ:http://www.dalian.cn.emb-japan.go.jp/jp/index.html

○在青島日本国総領事館
(管轄地域:山東省)
 住所:青島市香港中路59号 国際金融中心45F
 電話:(市外局番0532)-8090-0001
 国外からは(国番号86)-532-8090-0001
 FAX:(市外局番0532)-8090-0024
 国外からは(国番号86)-532-8090-0024
 ホームページ:http://www.qingdao.cn.emb-japan.go.jp/jp/index.html

○在香港日本国総領事館
(管轄地域:香港特別行政区,マカオ特別行政区)
 住所:香港中環康楽広場8号 交易広場第一座46楼及47楼
 電話:2522-1184
 国外・地域外からは(地域番号852)-2522-1184
 FAX:2868-0156
 国外・地域外からは(地域番号852)-2868-0156
 ホームページ:http://www.hk.emb-japan.go.jp/jp/index.html