カタール | Qatar > 安全対策基礎データ

※本情報記載の内容(特に法制度・行政手続き等)については、 事前の通告なしに変更される場合もありますので、渡航・滞在される場合には、渡航先国の在外公館または観光局等で最新情報を確認してください。

● 犯罪発生状況、防犯対策


1 犯罪発生状況
 カタール当局が治安対策に力を注いでいることもあり、治安は全般的に良好と言えます。就労目的で入国する外国人を対象にした厳格な「スポンサーシップ制度(身元保証人制度)」を施行していることも、治安が維持されている要因の一つとなっていると言われています。

2 一般・凶悪犯罪関係
 近年の急速な経済発展に伴い、各種ビル建設やインフラ整備等に従事する外国人労働者が大量に入国し、外国人労働者の人口が急増(カタールの人口は2004年の80万人から、2015年4月には234万人に激増(このうちカタール国民の割合は約1~2割といわれています)。したことにより、ドーハ市内の一部地区及び郊外においては、身元保証人の下から逃亡して不法滞在者と化すなどした一部外国人によると見られる犯罪が増加傾向にあります。人口の増加と犯罪の増加の関連について、人口10万人あたりの犯罪発生率が、2001年には320件であったものが、2010年には2355件まで急増しているとの報告もあります。
 こうした背景もあり、ドーハ市内の一部地区及び郊外では、強盗、空き巣、自動車盗などの犯罪が増加しているほか、大型ショッピング・モールや空港等において、スリや置き引き被害が発生しております。その他、駐車スペースを巡っての集団による暴行事件、身分を欺騙した偽警官による所持品の持ち去り等といった事件も発生しており、十分な注意が必要です。
 2014年2月~3月にはドーハ市内各地において車上荒らし事件が増加しており、多数の被害(数日で50件以上)が報じられているほか、ドーハ市内の事業体でも駐車場利用者に対して注意を呼びかけております。
 また、性犯罪の発生も報告されています。深夜にタクシーを利用した女性が、運転手にドーハ郊外まで連れ去られ暴行を受けそうになった事案や、警察官を装った男5人が住宅に立ち入り、女性に対して暴行を行った事案の他、夜間帰宅しようとして駐車場を歩いていた女性が、車に無理矢理連れ込まれ連れ去られそうになった事案等が発生しています。
 厳格に外国人を管理するスポンサーシップ制度による身元保証人から逃げ出した外国人労働者が治安悪化の一因だとして、治安当局は随時、大規模な取締りを行っています。

3 日本人の被害例
 これまで空き巣やスリ、置き引き等の犯罪に日本人が巻き込まれています。またドーハ市内のショッピング・モール内で、日本人女性や日本人女児が男性につきまとわれた事案、日本人女性が玩具のエアガンで撃たれるという事案等が在カタール日本国大使館に報告されています。

4 その他
 シリアやチュニジアにおいて日本人が殺害されるテロ事件をはじめ、ISIL(イラク・レバントのイスラム国)等のイスラム過激派組織又はこれらの主張に影響を受けている者によるとみられるテロが世界各地で発生していることを踏まえれば、日本人、日本権益がテロを含む様々な事件に巻き込まれる可能性があります。このような情勢を十分に認識し、誘拐、脅迫、テロ等の不測の事態に巻き込まれることがないよう、海外安全情報及び報道等により最新の治安・テロ情勢等の関連情報の入手に努め、日頃から危機管理意識を持つとともに、状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。

● 査証、出入国審査等


(手続や規則等に関する最新の情報については、駐日カタール大使館(電話:03-5475-0611)等にお問い合わせください。)

1 査証
(1)日本とカタールの間には査証免除取極はないため、カタールへの入国には査証が必要です。
(2)カタール政府は、観光、等の短期滞在については、日本を含む33か国の国籍保持者は空港で入国審査の際に、査証料金(100カタール・リヤル)をクレジット・カード(VISA・MASTERカード等)で支払うことによって、滞在期間1か月の査証を取得できる制度を設けています。なお、クレジットカードでの支払いの際には4桁の暗証番号の入力が必要になりますのでご注意ください。
 現金しか所持していない場合には、120カタール・リヤルにてプリペイド・カード(査証料金100カタール・リヤル+手数料20カタール・リヤル)を購入し、支払うことになります。
 カタールの内務省入国管理局において必要な手続きを行えば、更に1ヶ月の延長も可能です(更新は1回まで)。また、サウジアラビアから陸路で入国する際の査証手続きは空港の場合と同様です。
なお、2015年5月現在、駐日カタール大使館では、一般旅券所持者に対する入国査証発給は行っていないとのことです。
(3)就労や、家族滞在等を目的とした場合、通常はカタールのスポンサーを通じて、手続を行い、「就労査証」、「家族査証」等を取得する必要があります。
 かつてカタールにおいて就労し、離職時に元のスポンサー企業からノー・オブジェクション・サーティフィケイト(NOC)を発行してもらっていない場合、カタールを離れてから2年経過していない場合には、これを理由に入国を拒否される場合があります。
 また、就労査証等による長期滞在者は、カタールから出国する際にスポンサーの許可を得て、事前に「出国許可」を取得しなければ出国できませんので注意が必要です。
 カタールの出入国制度について、詳しくは駐日カタール大使館(電話:03-5475-0611)等にご確認ください。

2 出入国審査
 入国審査では、査証の有無又はカタール在住者であれば旅券(パスポート)に貼付されている在留許可(Residence Permit)の有効期限等がチェックされます。
 出国に関しては、観光等の目的での短期滞在の場合は、査証の有効期間内であればそのまま出国できます。
一方、上述のとおり就労査証等で当地に滞在している方については、事前に内務省入国管理局発行の出国許可(Exit Permit)を取得しなければ出国できません。ただし、世帯主の同伴家族として入国した場合は、同許可を取得する必要がない場合もある等、例外もあります。なお、出国許可については、シングル出国許可(1回限り、1週間有効)と、ダブル出国許可(二次、半年間有効)、マルチプル出国許可(数次、1年間有効)の3種類があります。
なお、滞在期限を過ぎて滞在した場合は、超過滞在1日あたり200カタール・リヤルの罰金が科せられます。

3 外国為替
 出入国時の外貨申告は不要で、持込み・持出しの制限額はありません。米ドルやユーロなど主な通貨の現地通貨への両替は、空港、市内の銀行、政府公認の両替商、ホテルのフロント等で可能です。
 なお、日本円については、ドーハ市内の一部の両替商が取り扱っていますが、多額の両替ができない場合や両替自体を受け付けていない場合があるので注意が必要です。

4 通関
 通関検査は厳しく、機内持込みの手荷物についても入国審査後に再度X線検査が行われます。持込み禁止品は、ポルノ雑誌類、豚肉及び豚肉の加工品(ハム、ソーセージ、ベーコン、ラード等)、酒類(みりん等を含む)などイスラムの規範に反するもの、麻薬及びその原料(けしの花等)、銃火器類等です。

● 滞在時の留意事項


1 滞在時の各種届出
 観光や商用として、短期滞在査証で入国する場合には、特に届出等をする必要はありません。就労、家族滞在等の査証を取得し入国された方は、入国後30日以内に内務省入国管理局に申請し、在留許可を得る必要があります。
 また、カタール国内で在留許可を受けた方が、出国し再入国する場合、カタール国外の滞在期間が6か月を超えると在留許可が無効になりますので注意が必要です。
 なお、就労を伴う在留許可申請者については、内務省に対して「警察証明(無犯罪証明)」の提出が義務づけられています。日本からカタールに就労目的で渡航される方は、事前に居住地の都道府県警察本部で証明書の交付を受けてください(第三国に居住されている方は、カタール内務省犯罪証明局(Department of Criminal Evidence and Information)にご照会ください(電話:+974-4447-1444))。
 こうした申請に伴う書類には、日本の外務省での公印確認や、駐日カタール大使館の認証が必要とされる場合がありますので、スポンサー等を通じて確認してください。

2 写真撮影の制限等
 軍事施設、警察施設、空港、首長府その他政府関係施設の撮影は、特別の許可がない限り禁じられています。撮影禁止区域でカメラを持っていると、フィルムやカメラを没収され、警察に連行されることもあるので注意が必要です。また、モスクや女性、礼拝している人を撮影することも避けたほうが無難です。日本人観光客が、卸売市場付近を写真撮影したところ、警察車両が写っているとして身柄拘束された事案も発生しています。
首長府、軍事施設、工業施設等に入るためには事前の許可が必要です。軍事施設等の立入禁止区域の標識は、アラビア語でのみ標記されているケースが多く、場合によっては何の表示もなされていないこともありますので、郊外をドライブする際は十分注意する必要があります。その他、首長一族関係者の居住地は一般的に広大であり、公園と間違えて立ち入った者や、迷い込んだ者等が警備の警察官等から一時拘束され、事情聴取を行われる等の事案が発生しています。

3 飲酒等の制限
 飲酒、酒類の製造及び販売は原則として禁止されています。ただし、外国人が多く利用する一部ホテル内のレストランやバーにおいては酒類のサービスが受けられます。また一定以上の収入のある日本人を含む外国人居住者(ただし非イスラム教徒)については、酒類購入許可証(Liquor Permit)を取得すれば、ドーハ市郊外にある「カタール・ディストリビューション・カンパニー」において酒類(及び豚肉製品)の購入が認められています。

4 各種取締り法規
(1)ポルノ雑誌やDVDは、販売のみならず所持も当局による取締の対象になっています。
(2)賭博はイスラム教の戒律で禁止されています。
(3)公共の場での喫煙は禁止されています。公共交通機関、教育施設、医療関係施設、政府関連施設、ショッピングセンター等の産業施設、映画館、レストラン等食品を販売している場所等での喫煙は罰金の対象となりますので注意してください。なお、一部の飲食店では水たばこ(シーシャ)等が提供されています。
(4)麻薬や銃器の所持、持込みには、死刑を含む厳罰が科せられています。
(5)一部ホテルのレストラン等で飲酒が認められてはいるものの、飲酒に伴う各種トラブル(飲酒運転、ケンカなど)には厳罰が科せられています。

5 交通事情
(1)車は右側通行です。交差点の多くは信号機を使わないロータリー(英国式ラウンドアバウト)で、ロータリーの中を走っている車が優先です。速度制限は街中で60~80km/h、郊外で80~120km/hと、かなり高速に設定されています。
(2)運転マナーについては、車線を守らない、ウインカーを出さずに曲がる、無理な割込みや追越し、後方からのいわゆる「あおり」行為、制限速度を超した速度での運転などが多く、非常に劣悪な状態であるため注意が必要です。また、運転する際には、制限速度を守る、交差点・ロータリーでは必ず安全確認する、飲酒運転はしない等の基本的な交通ルールを厳守することが必要です。
(3)交通取締は、市内要所におけるシートベルト着用の取締り、主要道路・交差点でのレーダー自動監視装置による信号無視やスピード違反の取締り、市街地での駐車違反取締り等が行われています。
(4)万一、交通事故に遭遇した場合、負傷者がいる場合は救急車が到着するまでの間、応急処置を行うとともに警察や救急(電話番号は共に999)に事故の発生場所、負傷者の数や負傷の程度、事故の状況等を報告し、指示を受けてください。事故を起こした車両については、警察官が現場に来る前に車両を移動してしまった場合は保険に必要な事故証明が発行されなくなる可能性があります。ただし、2007年10月に道路法が改正され、負傷者がなく車両の破損程度も軽い、いわゆる軽微な事故において、事故車両が交通の妨げになっている場合は、事故車両の運転手には速やかに車両を安全な場所に移動させる義務が課せられ、この場合、事故車両を移動させなかった運転手には罰金1,000カタール・リヤルが科せられることとなりました。ただし、どの程度をもって軽微とするかには疑問も生じますので、事故発生の際は、警察の指示を受けるようにしてください。

6 公共交通の利用等
(1)路線バスについては、国営ムワーサラート社の「カルワ・バス」が運行されています。運賃が低額であるということもあり、主として外国人単純労働者等が多く利用しています。
(2)タクシーについては、銀色の屋根の「カルワ・タクシー」、えんじ色の屋根の「アル・ミリオン・タクシー」、青色の屋根の「アル・イジャーラ・タクシー」、灰色の屋根の「キャピタル・タクシー」、黄色の屋根の「カーズ・タクシー」の他、主要ホテルに常駐している「リムジン・タクシー」等があります。
 カルワ・タクシー等は、初乗り運賃も低額で、また会社のコントロール・センターで無線により集中管理されているので比較的安心して利用できますが、料金の水増し請求事案や、運転手による女性連れ去り事案等も報じられており、十分な注意が必要です。電話によるタクシーの配車要請は24時間受け付けていますが、台数の絶対数が少なく、時間帯によっては対応が遅くなることがあります。ドライバーは外国人であり、必ずしもドーハ市等の地理に詳しくない場合もあり、またカタールでは基本的に住所表示がないことから、目的地に着くまで時間がかかることもあります。
 なお、カルワ・タクシー利用時におけるトラブルに際しては、同社カスタマー・サービス(+974-4458-8888)が対応することになっています。  
 リムジン・タクシーは、主要ホテルに常駐しており、いつでも利用できるという便利さがある反面、運賃は50~200カタール・リヤル程度と、カルワ・タクシー等と比べると高く設定されています。
 なお、ドーハ市内においては、一般タクシーの台数が少ない状況等を背景として、多くの違法タクシー(いわゆる白タク)が走行していますが、当局はこうした違法タクシーの取締りについては厳しい姿勢で臨んでいます。

7 長期滞在者向けの注意喚起
 現地に3か月以上滞在される方は、緊急時の連絡などに必要ですので、到着後遅滞なく最寄りの日本国大使館又は各日本国総領事館に「在留届」を提出してください。また、住所その他届出事項に変更が生じたとき、又は日本への帰国や他国に転居する(一時的な旅行を除く)際には、必ずその旨を届け出てください。在留届の届出は、在留届電子届出システム(ORRネット、http://www.ezairyu.mofa.go.jp )による登録をお勧めしますが、郵送、ファックスによっても行うことができますので、最寄りの在外公館まで送付してください。

8 短期滞在者向けの注意喚起
 在留届の提出義務のない3か月未満の短期渡航者の方(海外旅行者・出張者など)についても、現地での滞在予定を登録していただけるシステムとして、2014年7月1日より、外務省海外旅行登録「たびレジ」の運用を開始しています(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/ )。登録された方は、滞在先の最新の海外安全情報や緊急事態発生時の連絡メール、また、いざという時の緊急連絡などの受け取りが可能ですので、ぜひご活用ください。

● 風俗、習慣、健康等


1 カタールはイスラム教を国教としているので、生活する上でイスラムの教えを理解しておくことは大切です。具体的には、以下のような点に注意してください。
(1)男性は女性を注視しない。
(2)女性はミニスカート等の肌の露出度の高い服装は控える。成人男性についても、膝下が出る半ズボンなどは避けた方が無難です。なお一部ショッピング・モールでは、監視カメラにより不適切な服装をしている者がいないか確認しており、場合によっては退館を求められる場合もあります。
(3)礼拝している人がいる場合、その人の前を横切らない。
(4)ラマダン(イスラム教の断食月)期間中は、屋外や公共の場所での飲食や喫煙を控える。

2 ドーハ市内一部公園やレストランでは、男性だけでは入場できない家族専用の曜日(※金曜日の場合が多い。)を設けている所があります(また一部レストランにおいては、家族専用コーナーが常設されています)。

3 衛生事情は比較的良好で、1年のうち4月~10月までは高温多湿な気候が続くため、日射病、熱中症などに十分気をつける必要があります。また、この期間は24時間冷房が不可欠で、体調の維持に注意が必要です。冷房によって風邪を引いたり気管支を痛めたりすることがあるので、室内の温度・湿度管理には十分注意してください。
 3月から7月にかけては、強烈な砂嵐が起こることがあります。この砂により気管支喘息等の症状が起こり、病院での治療が必要となる方もいますので、ご注意ください。

4 現在、カタールにおいて、中東呼吸器症候群(MARS)とよばれる新種のコロナウィルスによる感染例が報告されています。感染予防としては、手をよく洗う、十分に加熱されていない食品は摂取しない、野菜・果物は料理する前によく洗うなど、一般的な衛生対策の励行をお勧めします。また、動物との不用意な接触は避けることをお勧めします。ラクダはMERSコロナウィルスをもつ中間宿主であることが分かっており、ラクダとの接触や未殺菌のラクダ乳の摂取は大変危険です。

5 「在外公館医務官情報(http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/index.html )」において、カタール国内の衛生・医療事情等を案内していますので、渡航前には必ずご覧ください。
 その他、必要な予防接種等については、厚生労働省検疫所ホームページ(http://www.forth.go.jp/ )を参考にしてください。

● 緊急時の連絡先


◎カタール警察,救急,消防:TEL 999
◎在カタール日本国大使館(代表):TEL (市外局番なし)4484-0888
                       国外からは(国番号+974)4484-0888

※閉館中は当館の代表電話番号(4484-0888)にてご案内を行っています。
※ 在留邦人向け安全の手引き
 現地の在外公館(日本大使館・総領事館等)が在留邦人向けに作成した「安全の手引き」も御参照ください。

(問い合わせ先)


(問い合わせ窓口)
 ○外務省領事サービスセンター
   住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
   電話:(代表)03-3580-3311 (内線)2902、2093

(外務省関係課室連絡先)
 ○外務省領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)
   住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
   電話:(代表)03-3580-3311(内線)5139
 ○外務省領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)
   電話:(代表)03-3580-3311(内線)3680
 ○外務省領事局政策課(感染症関連)
   電話:(代表)03-3580-3311(内線)2850
 ○外務省海外安全ホームページ: http://www.anzen.mofa.go.jp/
                    http://m.www.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp/ (携帯版)

(現地大使館連絡先)
 ○在カタール日本国大使館
   住所:Doha West Bay, Diplomatic Area, Doha, Qatar
   電話:(市外局番なし)4484-0888
       国外からは(国番号974)4484-0888
   FAX :(市外局番なし)4483-2178
       国外からは(国番号974)4483-2178
   ホームページ:http://www.qa.emb-japan.go.jp/jp/index.html