パキスタン | Pakistan

情報種別:海外安全情報(危険情報)
本情報は2014年09月16日に失効しました。

パキスタンに対する渡航情報(危険情報)の発出

2013年06月26日

関係国地図

南西アジア地図へ

●「退避を勧告します。渡航は延期してください。」(継続)
・アフガニスタンとの国境付近一帯
・連邦直轄部族地域(FATA)全域及び郡隣接部族地域
・ハイバル・パフトゥンハー州(旧北西辺境州。以下「KP州」)のスワート郡、アッパー・ディール郡、ローワー・ディ-ル郡、マラカンド郡、マルダン郡、チャルサダ郡、ブネール郡、シャングラ郡、コハート郡、バンヌー郡、ハングー郡、デラ・イスマイル・カーン郡、カラック郡、ラッキ・マルワット郡及びタンク郡
・カシミール管理ライン(LOC)付近一帯

●「退避を勧告します。渡航は延期してください。」(真にやむを得ない事情で現地に残留せざるを得ない場合は、政府機関、所属団体等を通じて組織としての必要かつ十分な安全対策をとってください。)(継続)
・KP州のペシャワル郡

●「渡航の延期をお勧めします。」(滞在中の方は、不測の事態に巻き込まれないよう退避を含め危険回避を真剣に心掛けてください。)(継続)
・KP州のノウシェラ郡及びスワビ郡
・バロチスタン州のデラ・ブグティ郡及びコールー郡
・シンド州のジャコババード郡

●「渡航の延期をお勧めします。」(引き上げ)
・ギルギット・バルチスタン地域(旧北方地域)(アフガニスタンとの国境付近及び管理ライン付近を除く)及びKP州のチトラル郡(アフガニスタンとの国境付近を除く)

●「渡航の延期をお勧めします。」(継続)
・イランとの国境付近一帯、バロチスタン州のクエッタ市

●「渡航の是非を検討してください。」(継続)
・イスラマバード首都圏
・パンジャブ州
・KP州のアボタバード郡、バタグラム郡、ハリプール郡、コヒスタン郡、マンセーラ郡、トルガル郡
・AJK(パキスタン側カシミールの一部でアーザード・ジャンムー・カシミールと呼ばれる地域)(管理ライン付近を除く)
・バロチスタン州(アフガニスタン及びイランとの国境付近、デラ・ブグティ郡、コールー郡及びクエッタ市を除く
・カラチ市を含むシンド州(ジャコババード郡を除く)
1.概況
(1)2013年6月23日、ギルギット・バルチスタン地域において、世界第9位の高峰、ナンガ・パルバッド山の麓で、宿泊施設に滞在していた外国人旅行者等に対する襲撃事件が発生し、中国人やウクライナ人を含む外国人9名、パキスタン人2名が殺害されました。現段階で犯人は逮捕されておらず、この事件の犯行主体や経緯等は不明ですが、これまでにパキスタン・タリバン運動(TTP)を始めとする複数の過激派組織が犯行声明を発出しました。これらの声明では、今回の事件では外国人観光客を狙ったと述べるとともに、今後も外国人を襲撃対象とする旨明確に述べており、今後も外国人を対象とした同種事件の発生の可能性が懸念されます。同地域では、最近イスラム教スンニ派とシーア派の宗派間対立が深まっており、2012年4月にも、宗派間対立に端を発してギルギット市内に外出禁止令が発出され、同年8月には、隣接するマンセーラ郡ナランにおいてTTPによるイスラム教シーア派及び旅行者に対する襲撃事件が発生しました。TTPは今後もシーア派を標的としたテロ攻撃を実行する旨警告しています。滞在時には、訪問先等から外国人旅行者に対する脅威情報を含む治安情勢について十分な情報収集を行い、また下記3の注意事項に不断に留意してください。
(2)なお、パキスタンにおけるテロ事件の多くは、アフガニスタンとの国境地帯を中心に軍や警察等治安当局を標的として発生しています。これに加えて、近年、政府寄りの部族民を標的とした犯行も見られるほか、バロチスタン州やカラチ市等でシーア派など宗教的少数派の宗教行事や宗教施設を標的とする事件が年間を通じて増加傾向にあります。また、これまであまり見られなかった、女性を実行犯とする自爆テロ事件も発生するなど、その手口は多様化していることに注意が必要です。引き続き、TTPその他の過激派組織が米国大使館等外国権益や外国公館、パキスタン軍及び政府等に対するテロを敢行する可能性は否定できません。
(3)最近ではイスラマバード市やラホール市といった一部の都市部の治安状況は比較的安定しています。一方、カラチ市においては、リヤリ地区など特定の地区を中心に標的殺人が急増するなど、治安が悪化しています。また、いずれの都市においても、銃器を携行した強盗事案などの一般犯罪の動向には注意する必要があります。さらに、反米、反政府、反テロ、頻発する停電等様々なデモが国内各地で行われることがあります。デモの形態によっては、参加者が暴徒化するおそれもあり、デモに限らず、人の多く集まる場所では常にテロの危険性が排除できないことから、デモや集会などには絶対に近づかないよう注意する必要があります。
(4)KP州及びバロチスタン州をはじめ、各地において誘拐事件が発生しており、外国人を含む被害者が出ています。事件は長期化する傾向にあり、被害者が殺害される事例も発生しています。

2.地域情勢
(1)アフガニスタンとの国境付近一帯、連邦直轄部族地域(FATA)全域及び郡隣接部族地域、KP州(旧北西辺境州)のスワート郡、アッパー・ディール郡、ローワー・ディ-ル郡、マラカンド郡、マルダン郡、チャルサダ郡、ブネール郡、シャングラ郡、コハート郡、バンヌー郡、ハングー郡、デラ・イスマイル・カーン郡、カラック郡、ラッキ・マルワット郡及びタンク郡、管理ライン付近一帯:「退避を勧告します。渡航は延期してください。」

(ア)アフガニスタンとの国境付近一帯、連邦直轄部族地域(FATA)全域(南北ワジリスタン管区、バジョール管区、モーマンド管区、ハイバル管区、クーラム管区、オラクザイ管区)及び郡隣接部族地域
これらの地域では、アフガニスタンの劣悪な治安状況の影響と両国間国境の管理の難しさもあり、ローカル・タリバーン等の反政府武装勢力が、アフガニスタンとの間で越境を繰り返したり、同地域に所在したりしていると見られます。パキスタン軍は軍事掃討作戦を断続的に実施しており、これらの軍事掃討作戦への報復テロが周辺地域において多発しています。不測の事態に巻き込まれる可能性が極めて高いことから、非常に危険であり、これらの地域への渡航は厳に差し控えてください。
なお、FATAでは上記状況により治安情勢は極めて悪化しています。1947年の建国以来同地域では連邦法が施行されておらず、外国人旅行者に何か問題が生じた場合でも、当局の迅速な対応は期待できません。
なお、アフガニスタンへの入国は、同国の治安情勢が極めて不安定なため、厳に差し控えてください。

(イ)KP州のスワート郡、アッパー・ディール郡、ローワー・ディール郡、マラカンド郡、マルダン郡、チャルサダ郡、ブネール郡、シャングラ郡、コハート郡、バンヌー郡、ハングー郡、デラ・イスマイル・カーン郡、カラック郡、ラッキ・マルワット郡及びタンク郡
コハート、バンヌー、ハングー、デラ・イスマイル・カーン各市やその近郊など同州南部では、軍や警察等の治安部隊、病院などに対する自爆テロ等が多発しています。ペシャワル郡に隣接するチャルサダ郡でもテロ事件が発生しており、2013年3月には、下院議員の車を狙った自爆テロが発生しました(注:下院議員は無事)。
バンヌーでは2012年4月、TTPによる大規模な刑務所襲撃事件が発生し、2003年のムシャラフ大統領(当時)暗殺未遂事件に関わったとされるアドナン・ラシッド死刑囚をはじめ多くのTTPメンバーが脱獄しました。
また、スワート郡をはじめ、同州アッパー・ディール、ローワー・ディール、ブネール及びシャングラでは、2009年4月末より数ヶ月間、本格的な軍事掃討作戦が実施され、その間、同作戦への報復と思われる爆弾テロや誘拐事件が多発しました。その後、テロ等の件数は減少しつつありますが、依然として注意が必要です。
以上のとおり非常に危険な情勢ですので、渡航は厳に差し控えてください。特に、KP州西部スワート郡のミンゴラ等はかつては多くの観光客が訪れる観光地であったことから、この地域を含むツアーを企画・実施する旅行会社も見受けられましたが、厳に差し控えてください。

(ウ)カシミール管理ライン(LOC)付近一帯
依然、管理ラインを挟んでパキスタンとインドの両国軍が展開したままであり、2013年1月から2月にかけて両軍の間の銃撃により死傷者が発生するなど、情勢について引き続き注意が必要ですので、渡航は厳に差し控えてください。

(2)KP州ペシャワル郡
:「退避を勧告します。渡航は延期してください。」(真にやむを得ない事情で現地に残留せざるを得ない場合は、政府機関、所属団体等を通じて組織としての必要かつ十分な安全対策をとってください。)
 KP州ペシャワル郡においては、警察関連施設や検問所における警察官等を標的としたテロ事件が多発しており、一般市民の利用するマーケットやバスターミナルなど、市内中心部においてソフトターゲットをねらったテロも見られます。また、身代金を目的とした誘拐事件も多発しています。最近も、2012年9月に発生した米国総領事館員をねらったと思われる自爆テロ事件をはじめ、外国人が被害者となる事件が発生しており、被害に遭うリスクが非常に高い状況です。
 このような治安状況を受け、政府当局は外国人の同地域への立入りに対し非常に神経質になっており、関係当局による外国人の拘束事案もたびたび発生しています。
 このように現地は非常に危険ですので、渡航は厳に差し控え、真に止むを得ず現地に滞在する場合には、不測の事態に巻き込まれることのないよう危険回避を真剣に心がけてください。

(3)KP州のノウシェラ郡及びスワビ郡、バロチスタン州のデラ・ブグティ郡及びコールー郡、シンド州のジャコババード郡
:「渡航の延期をお勧めします。」(滞在中の方は、不測の事態に巻き込まれないよう退避を含め危険回避を真剣に心掛けてください。)

(ア)KP州のノウシェラ郡及びスワビ郡
これらの地域では、隣接するペシャワル郡等においてテロ事件が頻発し、同郡等からテロリストが流入している可能性があり、2011年から2012年にかけて、モスクやイスラマバード・ペシャワル間を結ぶ高速道路の警察検問所において自爆テロが多発しました。最近は、学校等を標的とした小規模なテロや一般の商店が爆破される爆弾テロも発生しており、一般市民の生活に多大な影響を与えています。2013年1月にはスワビ郡において、民間NGOをねらったテロ攻撃も発生しました。
こうした状況を踏まえ、KP州のノウシェラ郡及びスワビ郡への渡航は控えてください。止むを得ず滞在する場合には、不測の事態に巻き込まれないよう退避を含め危険回避を真剣に心掛けてください。

(イ)バロチスタン州のデラ・ブグティ郡及びコールー郡
これらの地域では、反政府武装勢力がテロ行為を続けています。一般住民が誤って地雷を踏んで死傷するなどの被害が発生しており、治安状況回復の兆しはみられません。2011年1月、パキスタン外務省は各国外交団に対し、最近のバロチスタン州における治安情勢を受け、いかなる外国人も適切な警備処置なくバロチスタン州に渡航することは極力避けるよう呼びかけました。
こうした状況を踏まえ、バロチスタン州のデラ・ブグティ郡及びコールー郡への渡航は控えてください。止むを得ず滞在する場合には、不測の事態に巻き込まれないよう退避を含め危険回避を真剣に心掛けてください。

(ウ)シンド州ジャコババード郡
バロチスタン州のデラ・ブグティ郡及びコールー郡の反政府武装勢力が、同州とシンド州境界周辺を往来したり、ジャコババード郡内に流入したりしており、治安は非常に不安定となっています。
こうした状況を踏まえ、シンド州ジャコババード郡への渡航は控えてください。止むを得ず滞在する場合には、不測の事態に巻き込まれないよう退避を含め危険回避を真剣に心掛けてください。

(4)イランとの国境付近一帯、バロチスタン州クエッタ市、ギルギット・バルチスタン地域、KP州チトラル郡(アフガニスタンとの国境付近を除く)
:「渡航の延期をお勧めします。」
(ア)イランとの国境付近一帯
イランとの国境付近においては、非合法スンニ過激派組織のジュンドゥッラーが度々イラン側のシスタン・バルチスタン州に越境し、シーア派モスク等で自爆テロ攻撃を繰り返しています。また、イラン南東部(シスタン・バルチスタン州及びケルマーン州)では、外国人誘拐事件が発生しており、2007年には、パキスタンから陸路でイランに入国した日本人短期渡航者が誘拐されました(詳細はイランの危険情報をご参照ください)。
ついては、パキスタンから陸路でのイラン入国は控えてください。

(イ)クエッタ市
2013年1月、シーア派を標的とする連続爆弾テロ事件の発生により90人以上の市民が死亡したほか、翌2月にも同じくシーア派を標的とする大規模な爆弾テロが発生し80人以上の市民が死亡するなど、クエッタ市の治安は依然劣悪です。同地では非合法スンニ過激派組織のラシュカレ・ジャングビーによるシーア派への攻撃や、パキスタンからの独立を目指すグループや同州の自治拡大を目指すグループ等による政府及び治安機関に対する攻撃、他州からの移住者襲撃等のテロ行為が頻発しています。
また、2012年1月には、クエッタ市内において赤十字国際委員会(ICRC)の英国籍イエメン人医師が車両で移動中に武装集団に誘拐され殺害される事件が発生しており、外国人を標的とした誘拐事件の脅威は非常に高いと言えます。
こうした状況を踏まえ、パキスタン外務省は、最近のバロチスタン州における治安情勢を受け、いかなる外国人も適切な警備処置なくバロチスタン州に渡航することは極力避けるよう呼びかけています。
ついては、バロチスタン州のクエッタ市への渡航は控えてください。

(ウ)ギルギット・バルチスタン地域
2013年6月23日、同地域にある世界第9位の高峰、ナンガ・パルバッド山の麓において、宿泊施設に滞在していた外国人旅行者等に対する襲撃事件が発生し、中国人やウクライナ人を含む外国人9名、パキスタン人2名が殺害されました。現段階で犯人は逮捕されておらず、この事件の犯行主体や経緯等は不明ですが、これまでにパキスタン・タリバン運動(TTP)を始めとする複数の過激派組織が犯行声明を発出しました。これらの声明では、今回の事件では外国人観光客を狙ったと述べるとともに、今後も外国人を襲撃対象とする旨明確に述べており、今後も外国人を対象とした同種事件の発生の可能性が懸念されます。
同地域では、イスラム教スンニ派とシーア派の宗教対立が深まりつつあります。2012年4月には、宗派間対立等に起因したデモや銃撃事件、爆破事件、カラコルム・ハイウェイを走行するバスに対する襲撃事件等が発生して治安が悪化したため、同年4月3日よりギルギット市に外出禁止令が発出され、邦人を含む多くの外国人旅行者が同地域内に留め置かれた事案が発生しています。同年8月には、隣接するKP州マンセーラ郡ナラン付近において、TTPによるシーア派教徒及び旅行者に対する銃撃事件が発生しており、TTPは今後も同様の攻撃を実行する旨警告しています。このようなシーア派教徒を標的とした襲撃事件の発生に対して、ギルギット、スカルドゥ等においてシーア派による抗議行動が行われ、同地域の情勢が不安定になっています。
ついては、ギルギット・バルチスタン地域への渡航は控えてください。

(エ)KP州チトラル郡(アフガニスタンとの国境付近を除く)
 アフガニスタンとの国境付近一帯では、アフガニスタンの劣悪な治安状況の影響と両国間国境の管理の難しさもあり、ローカル・タリバーン等の反政府武装勢力が、アフガニスタンとの間で越境を繰り返したり、潜伏したりしていると見られます。さらに、ギルギット・バルチスタン地域の情勢が上記のとおり不安定化していることから、アフガニスタンとギルギット・バルチスタン地域の双方に隣接しているKP州チトラル郡については、不測の事態に巻き込まれることを避けるために、アフガニスタンとの国境付近以外であっても渡航は控えてください。

(5)イスラマバード首都圏、パンジャブ州全域(ラワルピンディ市及びラホール市を含む)、KP州のアボダバード郡、バタグラム郡、ハリプール郡、コヒスタン郡、マンセーラ郡、トルガル郡及び、AJK(管理ライン付近を除く)、バロチスタン州(アフガニスタン及びイランとの国境付近、デラ・ブグティ郡、コールー郡及びクエッタ市を除く)、シンド州(ジャコババード郡を除く)、
 :「渡航の是非を検討してください。」

 個別の地域における情勢は後述のとおりであることに加え、市街地においては、強盗、窃盗事件や銃発砲事件などの一般犯罪も発生しています。訪問先等とも連絡を取り、必要な安全対策を講じてください。また、滞在にあたっては、下記3の注意事項に不断に留意し、デモ等人の集まっている場所や人通りの少ない道の通行は避けるなど、十分注意して行動して下さい。
 また、パンジャブ州とシンド州の州境付近をはじめ、各地で武装強盗団(ダコイト)が出没しています。長距離の陸路移動については慎重にその是非を検討し、特に夜間の通行は避けてください。

(ア)イスラマバード首都圏
過去の治安状況と比較すると、近年の警察当局による捜索や取締り、検問所による車両検査等の治安対策が功を奏し、治安は比較的安定しています。
ただし、注目度の高い首都という性格上、政府庁舎や要人、外国資本の商業施設等を標的としたテロや外国人誘拐のリスクは常に存在すると考えておく必要があります。2012年11月には、著名ジャーナリストの車両に爆弾が仕掛けられているのが発見され(治安当局が処理、負傷者なし)、TTPが犯行を認める事案が発生しています。また、大規模な抗議活動や治安当局との衝突事案等も発生しているので、治安動向には十分注意を払う必要があります。

(イ)ラワルピンディ市
 ラワルピンディは、陸軍司令部等の軍施設が多く、これまでも同施設や軍関係者をねらったテロ事件が発生しています。また、2012年11月には、シーア派イスラム教徒を狙った自爆テロにより23名が死亡、多数の負傷者を伴う被害が発生しました。そのため、今後の治安動向には十分注意を払う必要があります。

(ウ)ラホール市
数年前は、反政府勢力による警察関係者や警察関連施設、宗派対立に根ざした宗教関連施設やバザールに対するテロ事件が市内中心部等にて多発し、一般市民を含む多くの犠牲者が出ましたが、最近では比較的治安は安定しています。
 他方、2012年4月、混雑するラホール駅構内待合室で爆弾テロが発生し、電車待ちをしていた多数の一般市民が負傷する爆弾テロ事件が発生したほか、同年7月、TTPによる警察官居住施設襲撃事件が発生しました。2011年8月には、米国人援助関係者がラホール市内の自宅から武装集団に誘拐される事件も発生し、未解決のままです。今後も外国人を標的とした誘拐のおそれは排除されません。

(エ)KP州アボタバード郡、バタグラム郡、ハリプール郡、コヒスタン郡、マンセーラ郡、トルガル郡
 KP州東部においては、過去に援助関係者への襲撃が発生しました。現在は安定していますが、引き続き十分な注意が必要です。
また、2012年2月には、ギルギット・バルチスタン地域ギルギット行きのバスがコヒスタン郡で襲撃され、シーア派の乗客が殺害される事件が発生したほか、同年8月には、マンセーラ郡ナラン付近にてTTPによる同様の殺害事件が発生しており、このような宗教過激主義者等による無差別襲撃事件が発生していることに留意する必要があります。

(オ)パンジャブ州(ラホール市、ラワルピンディ市を除く地域)
パンジャブ州は、比較的治安は安定しています。他方、一部地域では襲撃事件や爆弾テロ事件も発生しており、滞在にあたっては十分注意が必要です。
また、2012年8月、TTPによるミンハス空軍基地襲撃事件が発生しており、TTPは空軍関連施設への攻撃を警告しているので、軍施設には厳に近づかないよう留意してください。
また、過激派が同州南部へ流入しているとの見方もあるほか、KP州やバロチスタン州との境界付近ではテロリストの潜伏及び活動が懸念されるので、特に同地域に渡航する場合には、事前に現地情勢を確認し、必要な警備措置を講じる等万全な態勢を敷くことをお勧めします。
パンジャブ州ムルタン市においては、2012年1月、イタリア人とドイツ人の援助関係者が武装集団によって誘拐される事件が発生しており、未解決のままです。今後も外国人を標的とした誘拐のおそれは排除されません。

(カ)シンド州カラチ市
2011年5月にウサマ・ビン・ラーディン容疑者が殺害されて以来、カラチではサウジアラビア総領事館に対する爆弾テロ、同館館員の殺害、メヘラン海軍航空基地に対する武装集団による襲撃・占拠事件など、凶悪なテロが多発しました。その後も、2013年3月にはシーア派居住区において市民40人以上が死亡する大規模なテロ事件が発生するなど、宗派間抗争、治安当局等、特定の政党を標的とするもの等のテロが急増し、一般市民多数も巻き込まれています。2011年9月の警察高官自宅を標的とした自爆テロや2012年7月の中国総領事館付近における爆弾テロなど、テロ事件は日本人も含む外国人が多数活動・居住する地域でも発生しており、カラチ市内全域でテロ事件が発生する懸念が高い状態が続いています。
また、いわゆるテロではありませんが、複数の政治組織間、民族間及び宗派間の対立による標的殺人・拉致なども増加傾向にあり、過去には政党指導者や宗教指導者が殺害されるとこれに対する抗議やデモ参加者が暴徒化し、商店等の略奪、バスや通行車両の焼き討ちが市内複数箇所で同時発生するなど急激な治安悪化が発生し、市民生活が麻痺することもありました。
一般犯罪については、けん銃等の銃器を使用した強盗や誘拐事件が多発しています。2012年4月には邦人が被害にあう強盗事件が2件連続して発生しました。邦人の誘拐事件は発生していませんが、2012年には中国人歯科医やキリスト教系病院に勤務する韓国人を標的とした誘拐事件も発生しており、外国人を標的とした誘拐事件の発生が懸念されます。
こうした状況を踏まえ、カラチ市内での行動については、下記3の注意事項に不断に留意し、安全対策を十分に講じてください。

(キ)シンド州(カラチ市、ジャコババード郡を除く)
ハイデラバード市郊外や同州内陸部においては、警察による武装強盗団(ダコイト)の取締り強化及び高速道路警察隊による幹線道路のパトロール強化が実施されていますが、依然として強盗等の凶悪犯罪が発生しています。陸路で移動せざるを得ない場合は夜間を避け、複数の武装警備員をつける等の安全対策を必ず取ってください。

(ク)バロチスタン州(アフガニスタン及びイランとの国境付近、デラ・ブグティ郡、コールー郡及びクエッタ市を除く)
バロチスタン州においては、パキスタンからの独立を目指すグループや同州の自治拡大を目指すグループ等による反政府闘争が行われているため、州内は極めて不安定な治安状況となっています。州都クエッタ市以外の場所でも、治安機関に対する攻撃事件や他州からの移住者をねらった暗殺が数多く発生しているほか、同州からアフガニスタンへの幹線道路においては、米国やNATO駐留軍への補給物資輸送車両が襲撃される事件が多発しています。また、過去には、ハブにおいて中国人エンジニアが爆弾テロの標的となったほか、グワダル市のPCホテルがロケット弾による攻撃を受けるなど、外国人もテロの標的となっています。
また、同州では外国人を標的とした拉致事件が多発しています。国道M40号線のクエッタからイランとの国境までの区間及びその周辺地域においては、アフガニスタン国境付近一帯で活動する薬物組織や武装勢力による犯行と見られる拉致・強盗事件が多発しており、2011年7月には、バロチスタン州ローラライ地区(同州クエッタ市の北東約250km)をクエッタ市に向けて車両で移動していたスイス人男女2人が誘拐される事件が発生したほか、2013年3月にも、イランからクエッタに向かうハイウェイにおいてチェコ人観光客女性2人が警護要員と共に武装集団に拉致される事件が発生するなど、外国人を標的とした拉致事件も頻発しています。
こうした状況を踏まえ、パキスタン外務省は、いかなる外国人も適切な警備処置なくバロチスタン州に渡航することは極力避けるよう呼びかけました。よって、バロチスタン州(アフガニスタン及びイランとの国境付近、デラ・ブグティ郡、コールー郡及びクエッタ市を除く)への渡航については、安全性について慎重に十分な検討を行うとともに、同地域へ渡航する場合には、適切かつ十分な警備措置をとってください。

(ケ)AJK(管理ライン付近を除く)
AJK全域は旅行制限地域となっており、AJKに立ち入るためにはパキスタン内務省の許可を取得する必要があります。

3.滞在にあたっての注意
パキスタンに渡航する際の一般的な注意事項、主要都市の犯罪傾向については、「安全対策基礎データ」も御参照ください。
(1)渡航者全般向けの注意事項
(ア)夜間の単独での外出は避けてください。パキスタンでは性犯罪も多発しており、特に女性は注意が必要です。
(イ)夜間に陸路を移動する場合には、短距離であっても、タクシーや路線バスを利用せず、自家用車や信用のおける運転手付きレンタカー等の安全で確実な交通手段を確保してください。
(ウ)バスを使った夜間の長距離移動については、武装強盗団が出没する恐れがあるので極力控えて下さい。鉄道も、安全・確実な移動手段とは言えないので、できる限り避けて下さい。
(エ)大麻、アヘン、ヘロイン等の麻薬の売買、所持、使用等は法律で厳しく罰せられます。
(オ)仏像等の骨董品の国外持出しは禁止されています。
(カ)パキスタン国内では、空港、橋梁、軍事施設など写真撮影を禁止されている場所が多数存在します。
 (キ)主要都市を除いては宗教上保守的な地域が多いので、外出の際には男女ともに服装に気を付けるなど、現地の習慣を尊重することが必要です。
 
(2)長期滞在者向けの注意事項
(ア)現地に3か月以上滞在される方は、緊急時の連絡などに必要なので、到着後遅滞なく最寄りの在パキスタン日本国大使館(滞在先がイスラマバード首都圏、パンジャブ州、KP州、ギルギット・バルチスタン地域、AJKの場合)又は在カラチ日本国総領事館(滞在先がシンド州、バロチスタン州の場合)に「在留届」を提出してください。また、住所その他届出事項に変更が生じたとき、又はパキスタンを去る(一時的な旅行を除く)際には、必ずその旨を届け出てください。在留届の届出は、在留届電子届出システム(ORRネット、http://www.ezairyu.mofa.go.jp )による届出をお勧めします。また、郵送、FAXによっても行うことができますので、最寄りの在パキスタン日本国大使館又は在カラチ日本国総領事館まで送付してください。
(イ)自宅や職場の周辺で不測の事態が起きた場合は、事態が収まるまでその場に待機するとともに、安否について在パキスタン日本国大使館又は在カラチ日本国総領事館まで連絡してください。
(ウ)使用人を雇う際は、使用人が手引きする犯罪も発生しているので、身元の確かな人物を雇用することをお勧めします。解雇する場合は、私怨をかわないよう、円満な形で解雇することが重要です。

(3)テロ・誘拐対策
パキスタンに渡航・滞在される方は、テロや誘拐事件に遭遇したり、巻き込まれたりする危険を避けるよう、上記情報に加え、次の点に十分留意して行動するよう、常に心掛けてください。
(ア)テロ
○テロの標的となりやすい場所(欧米関連施設、軍・警察等治安当局の施設・検問所・車両等、政府機関、宗教関連施設等)やデモ、集会、お祭り、マーケット等、人が多く集まる場所にはできる限り近づかない。
○マーケットやバス停など人の集まる場所での用事は、短時間で効率的に行うとともに、常に周囲の状況に注意を払い、不審な状況を察知したら、速やかにその場から離れる。
○訪問先の情報に十分な注意を払い、必要な場合には十分な警備態勢をとる。
○ホテルのフロント等、不特定多数の人の立ち入りが容易な場所での滞在時間は最小限にする。
○最近は、警察当局によるセキュリティー強化のために渋滞が多くなっているので、渋滞の多い検問所付近の通行は極力避ける。
○現金の引き出し等が集中しがちな月初め、中旬、月末や祝祭日前後には、銀行に多数の人が並び、これを標的としたテロも発生しているので十分注意する。

 (イ)誘拐
誘拐を防ぐためには、自分自身と家族の安全を守る心構えとして、「目立たない」、「用心を怠らない」、「行動を予知されない」の三原則を念頭に、次のような対策をとり、習慣化することが有効です。
○日常の行動パターンを画一化しない。
○通勤や買い物等に同じ経路や時間帯を使うのではなく、数パターンを使い分ける。
○行動予定を多くの人に知られないようにする。
○現地の言葉が分かる人ほど、周囲の異常を早く察知し、速やかにその場から離れることが可能なので、買い物等で外出する際も含め、常時、身近で信用のできるパキスタン人と一緒に行動する。
○人目の少ない場所を避ける。
○外出中は、周囲に不審者、不審車両、尾行、監視がないか注意する。
○車両で移動する場合は、必ず窓を閉めてドアを施錠し、複数の者が乗車した車両がついてきていないか常時点検する。
○目的地に到着した際も、降車する前に不審者、不審車両がいないか確認する。

(4)一般犯罪対策
  ○信頼できる警備会社による警備の活用を検討する。
○犯罪が多発している地区への出入りを極力避ける。
○車両等にて長距離を移動する場合、情報を十分収集し、代替可能性も含め、慎重に是非を検討するとともに、止むを得ない場合も、できるだけ明るい時間帯を選び、日没後の移動は極力避ける。
  ○夜間単独での外出は極力避ける。
○近距離であっても、移動には可能な限り自家用車を利用する。その際、窓を完全に閉め、ドアは確実にロックする。
○知らない人から声をかけられても安易に信用しない。
○多額の現金を持ち歩く場合は、財布の他に数カ所に分けて携行する等の予防措置を採る。
○人気のないところで不審車両の接近等に気づいた場合は、安全な場所まで車を走らせ、不用意な停車や減速はしない。
○現地の習慣等を尊重し、目立つ行動や騒がしい行為は極力控える。
○万一、銃を向けられたら、身体の安全を第一に考え、「抵抗」と誤解されるような急な動作は控え、以下の点に注意して対処する。
・抵抗しない。
・犯人を刺激しない。
・所持品に執着しない。
・犯人の特徴を覚える(含む、車両ナンバー等)。
・警察等への通報。

4.隣国のアフガニスタン、イラン、インド、中国に対しても、それぞれ危険情報が発出されているので、これらにも御留意ください。

(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(外務省代表)03-3580-3311 (内線)2902

(外務省関連課室連絡先)
○外務省領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)
 住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
 電話:(外務省代表)03-3580-3311 (内線)5140
○外務省領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)
 住所:東京都千代田区霞が関2-2-1 
 電話:(外務省代表)03-3580-3311 (内線)3100
○外務省海外安全ホームページ:http://www.anzen.mofa.go.jp/
           http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp (携帯版)

(現地在外公館連絡先)
○在パキスタン日本国大使館
住所:Plot No. 53-70、 Ramna 5/4、 Diplomatic Enclave 1、 Islamabad、Pakistan
 電話:051-907-2500
   国外からは(国番号92) 51-907-2500
 ファックス:051-907-2352
   国外からは(国番号92)51-907-2352
 ホームページ(日本語版):http://www.pk.emb-japan.go.jp/indexjp.htm
○在カラチ日本国総領事館
 住所:6/2 Civil Lines、 Abdullah Haroon Road、 Karachi、 75530、 Pakistan
 電話:021-3522-0800
   国外からは(国番号92)21-3522-0800
 FAXファックス:021-3522-0820
   国外からは(国番号92)21-3522-0820
 ホームページ(日本語版):http://www.kr.pk.emb-japan.go.jp/j/index.html